島田 勝利 主任教授

聖マリアンナ医科大学小児心臓血管外科のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。2024年4月より主任教授を拝命いたしました、島田勝利(しまだ まさとし)と申します。私はこれまで、国立循環器病研究センター、東京女子医科大学、榊原記念病院などで研鑽を積み、新生児から成人先天性心疾患、心不全・移植医療まで、小児・先天性心疾患外科の全領域に携わってきました。

2024年4月、本学に新たに設置された小児心臓血管外科講座の立ち上げを担うこととなり、現在は新体制のもとで診療・教育・チームづくりを進めています。新しい講座であるからこそ、最初に何を大切にするか。その一点について、私は迷いなく「手術の質と安全性の担保」を最優先に掲げてきました。

地域医療における当科の役割

当院は、川崎・横浜を中心とする人口密度の高い地域に位置しています。この地域の先天性心疾患医療を支え続けるためには、軽症例から重症例まで、幅広い病態に対して安定した質で対応できる体制が不可欠だと考えています。どの患者さんに対しても一貫して「確かな質で向き合う」ことを大切にしています。

「手術の質」は術野で決まる

小児心臓外科において、手術成績を左右する最大の要因のひとつは、術野を構成する外科医全体の技術レベルと経験値です。どれほど設備が整っていても、術野の技術力と総経験値が十分でなければ、安全性も成績も担保できません。新体制で手術を開始するにあたり、私はこの点を最も重視しました。

そこで前職である榊原記念病院に手術支援を要請し、現在は同院の外科チームとともに術野を構成しながら手術を行う体制を継続しています。複数名の経験豊富な外科医で術野を構成することを前提としているのは当科の大きな特徴であり、患者さんの安全性と手術の質を支える重要な基盤となっています。

「診療の質」はチームで決まる

先天性心疾患の治療は手術だけで完結することはほとんどありません。術前・術後の管理、わずかな病態変化への対応、ご家族との対話、そのすべてが治療の一部であり、日々の積み重ねが診療の質を大きく左右します。当院では、小児循環器科とPICU(小児集中治療科)を診療の中核に据え、麻酔科、看護師、臨床工学技士など多職種が、日常的に顔を合わせながら診療にあたっています。

患者さんとご家族の最善と、医学的な最善の両立を目指して

小児・先天性心疾患の診療は、「一度の治療」で完結する医療ではありません。生まれた直後から始まり、成長の節目ごとに治療を重ね、思春期や成人期を迎えるまで、長い時間をともに歩んでいく医療です。心臓の手術を考えるとき、患者さんとご家族には、それぞれに異なった背景や思いがあります。私たちは、医学的な最善と、その思いの両方を大切にしながら、これからの時間をどう歩んでいくのかを、一緒に考えていきたい。それが、私たちが大切にしている姿勢です。

若い先生方へのメッセージ

当科には、「なぜ?」に、きちんと時間をかけて向き合う文化が根づいています。質問しやすく、意見も伝えやすい環境の中で、安心して経験を積んでいただけると思います。若い医師が悩み、考え、少しずつ力を身につけていく過程に立ち会えることは、私たちにとって大きな喜びです。その積み重ねが、やがて誰かの命を支える力につながっていく。そのつながりを信じながら、日々の教育に向き合っています。

最後に

地域の皆さまと、その思いに寄り添いながら確かな医療を届けていくこと、それが私たちの使命です。一人ひとりの患者さんと向き合う日々を大切に重ねながら、この地域の医療を、これからも着実に支えていきたいと考えています。

役職

  • 大学病院心臓血管外科 副部長
  • 心臓血管外科学 小児心臓血管外科 主任教授

専門/担当分野

  • 先天性心疾患の外科治療

出身大学

  • 高知医科大学(2002年)

所属・認定資格

  • 日本外科学会専門医
  • 日本外科学会指導医
  • 心臓血管外科専門医
  • 心臓血管外科修練指導者
  • 循環器専門医
  • 移植認定医
  • 成人先天性心疾患専門医
  • 小児用補助人工心臓実施医
  • 植込型補助人工心臓実施医
  • 日本小児循環器学会 評議員
  • 医学博士

略歴

  • 2002年 高知医科大学(現 高知大学)卒業
  • 2002年 株式会社 MEDIC MEDIA
  • 2004年 東京医科歯科大学(初期研修プログラム)
  • 2006年 三井記念病院 外科
  • 2009年 国立循環器病研究センター 心臓血管外科 レジデント
  • 2012年 長野県立こども病院 心臓血管外科
  • 2014年 東京女子医科大学 心臓血管外科
  • 2015年 国立循環器病研究センター 小児心臓外科
  • 2020年 京都府立医科大学 小児心臓血管外科
  • 2021年 東京女子医科大学 心臓血管外科
  • 2022年 榊原記念病院 小児心臓血管外科