心臓腫瘍とは
心臓腫瘍とは、心臓の中や弁、心筋にできる「できもの(腫瘍)」のことです。
とても稀な病気ですが、できる場所や大きさによっては命に関わることもあります。
心臓腫瘍には大きく分けて、
- 心臓そのものからできる腫瘍(原発性)
- 他の臓器のがんが心臓に広がったもの(転移性)
があります。
原発性腫瘍の多くは良性で、代表的なものに心房粘液腫があります。腫瘍の進展は良性ですが、脳梗塞などの多発塞栓症を来す可能性があります。
一方で、悪性腫瘍の場合は大変予後が悪く、外科治療のみでは治療が完遂しない場合も多いため、腫瘍内科や放射線科など専門的で迅速な治療が必要になります。
典型的な臨床症状
腫瘍の大きさや場所によって症状は異なります。
- 息切れ
- 動悸
- 失神
- むくみ
- 脳梗塞(腫瘍の一部が血流に乗り飛散することがあります)
また、健康診断や他の検査で偶然見つかることもあります。
診断方法
当院では、
- 心エコー検査
- 造影CT
- 心臓MRI
- PET-CT
などを組み合わせて、腫瘍の大きさや性質を詳しく調べます。
良性か悪性かの判断はとても重要で、
専門の病理医と連携し、慎重に診断します。
治療方法/外科手術
良性腫瘍の場合
人工心肺補助、心停止下で完全に腫瘍を取り除くことで、完治が期待できます。
周辺組織への進達や障害に応じて、
- 弁の修復(自己弁形成/人工弁置換)
- 心室構造再建
を同時に行います。
悪性腫瘍の場合
悪性腫瘍の場合手術で根治切除を目指しますが、進行の度合いによっては外科治療のみで完遂することが非常に難しい疾患です。そのため、
- 抗がん剤治療(腫瘍内科)
- 放射線治療(放射線科)
などを組み合わせた治療が必要になることがあります。
当院では腫瘍内科がございますので、適宜相談を行いながらの治療選択を検討出来ます。
多診療科によるチーム医療
心臓腫瘍は珍しい病気であり、
診断や治療には多くの専門家の協力が必要です。
当院では、
- 心臓外科
- 腫瘍内科
- 循環器内科
- 放射線科
- 病理診断科
が連携し、カンファレンスで治療方針を決定しています。
診断から治療、術後の経過観察まで一貫して対応できる体制を整えています。
大学病院ならではの強み
心臓腫瘍は症例数が少ないため、診断や治療経験が施設によって異なります。
当院では、
- 高度な画像診断
- 経験を積んだ心臓外科チーム
- 専門病理医による精密診断
- 腫瘍内科との密な連携
など、大学病院ならではの他診療科との密な連携により、安心して治療を受けていただける体制を整えています。