下肢静脈瘤とは
下肢静脈瘤は、足の静脈がこぶ状に拡張し、曲がりくねって目立つ状態です。見た目だけでなく、だるさ・むくみ・こむら返りなどの症状や、進行すると皮膚炎・色素沈着・潰瘍の原因になることがあります。

病態生理(なぜ起こるのか)
下肢の静脈は、血液を心臓へ戻すために「静脈弁」と「下腿筋ポンプ(ふくらはぎの筋肉の収縮)」で逆流を防ぎながら働いています。
ところが、加齢・妊娠・長時間の立ち仕事・遺伝的素因などを背景に静脈弁がうまく閉じなくなると、血液が重力で足側へ**逆流(reflux)**し、静脈内圧が上がって静脈が拡張します。これが静脈瘤の本質です(慢性的な静脈高血圧=chronic venous disease)。
代表的なタイプ
- 伏在静脈型:大伏在静脈(GSV)/小伏在静脈(SSV)の逆流が主体
- 側枝型(枝の静脈瘤):表在の枝が目立つ
- 穿通枝不全:深部と表在をつなぐ穿通枝の逆流が関与することも
診断・治療方針決定には、見た目だけでなく超音波(duplex)で逆流部位を確認することが重要です。
症状
症状は「見た目」だけに限りません。以下がよくみられます。
よくある症状
- 足のだるさ、重さ、疲れやすさ(夕方に悪化しやすい)
- むくみ
- こむら返り(夜間の足のつり)
- かゆみ、ほてり、違和感
進行・合併症
- うっ滞性皮膚炎、湿疹
- 色素沈着、皮膚硬化
- 静脈うっ滞性潰瘍(治りにくい傷)
- 表在性血栓性静脈炎、出血(ぶつけた拍子に出血する等)
治療方法
治療は、
- (1)生活指導・圧迫
- (2)血管内治療
- (3)硬化療法
- (4)手術
を、逆流の部位と重症度に応じて組み合わせます。現在のガイドラインでは、症状のある伏在静脈逆流に対しては、可能であれば血管内治療(熱による閉塞:レーザー/高周波)を第一選択として推奨する流れが主流です。
1) 圧迫療法(弾性ストッキング等)
- 静脈還流を助け、だるさ・むくみなどの症状を軽減します。
- ただし、「根治」ではなく症状緩和が目的です。症状が思い場合は直接的な血管へのアプローチが必要です。

2) 血管内焼灼術(EVLA / RFA:レーザー・高周波)
- 逆流の原因となる伏在静脈を、カテーテルで内側から加熱して焼却凝固閉塞させる低侵襲治療です。
- 症状のある伏在静脈逆流では、従来手術(結紮+ストリッピング)より血管内治療が推奨される場面が多いです。
- 当院では「日帰り手術」を行っております。(第2、第4土曜)

お茶の水血管外科クリニックより
3) 硬化療法(フォーム硬化療法など)
- 薬剤(硬化剤)を注入して静脈を閉塞させます。
- ガイドラインでは、血管内治療が適さない場合の次の選択肢として位置づけられることが多いです。

目黒外科より引用
4) 手術(結紮・ストリッピング、静脈瘤切除など)
- 解剖や病変の条件で血管内治療が難しい場合、外科的に大伏在静脈の抜去、瘤切除を行います。
血管内治療であれば日帰り、外科的治療であれば2泊3日程度の入院で治療を行っております。
毎週「月曜」に専門外来を行っております。症状でお困りまの方は、まずは気軽にご相談ください。